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2009.2.10(火)
介護施設・食育セミナー2009

◆かでる2・7 7F710会議室(札幌市中央区北2条西7丁目)
◆13:05~14:05 「今とこれからの食育を考える」
  北海道栄養士会食育推進委員長・北海道食育コーディネーター 山際 睦子 先生

2005年に食育基本法が成立しました。食に対する関心が高まってきている昨今、法が
出来たということは食生活が乱れているということです。家庭では、一人で食事する孤食
や家族バラバラのメニューで食べる個食などが増加。今流行のメタボリックシンドローム
も、高脂肪、高カロリーに偏った食生活が原因となっています。食生活を見直していくこ
とが大切で、主食・主菜・副菜をそろえての食事、その3:1:2のルール、6つの基礎食品
からみるバランスよい食生活を心がけましょう。もったいない気持ちを忘れずに、食育を
進めることにより体を守り、家族が健康な生活を過ごすことができるのです。

  14:10~15:10 「食生活を支える介護現場」
  北海道老人福祉施設協議会副会長・特別養護老人ホーム「シャリテさわら」施設長
                                           大橋  忍 先生
食べることは生きること、施設の入居者さんの食生活を支えている経験談を介護現場の
視点からお話。一日のサイクルは食事から、安全で食べやすく美味しい食事への心配り。
アンケートも取り、歯の具合、好きな食べ物、家庭やふるさとの思い出の味なども統計、
入居者の皆さんは漬物が大好きなので、皆さんが集うお茶の間は漬物をおやつに、漬
物談義で賑わっています。施設の庭には、お喋り菜園があり、入居者の皆さんと職員で
トマトやきゅうり、なす、枝豆など、色々な野菜を作っています。菜園作り、収穫、調理、
その行程を皆で楽しむことで、より食に対する皆なの気持ちが豊かになりました。職員も
穏やかにゆったりと食事が出来るよう、食事環境もご馳走になるような介護姿勢を心がけ
ています。

  15:15~16:15 「暮らしの中の環境と自然体系」
  学校法人北工学園 環境総合研究所長・北海道環境福祉専門学校環境保全科学科長
                                           大畑 晴幸 先生
暮らしの中で自然と親しむことが大切である。野菜や花、草花、木、果実など、優れた先
人の知恵が伝承されていることが多い。正月の七日に七草粥を食べると、一年間病気を
せずに健康でいられると言われるのは、元旦から雑煮やおせちの食べ過ぎ、飲み過ぎに
よる胃腸の疲れを休め、またカロチンやビタミンの栄養と、いろいろな薬効を体に取り入れ
るためである。食器選びも、プラスチックなどではなく、料理がおいしくなる食器を選ぶこと。
テーブルクロスや照明も上手に活用して、カラー・デザインを楽しむ。同じ食器でも器の大
きさによって食が進む度合いが変わるので工夫しよう。住まいの空間にも快適さは必要。
採光、風通し、温かい、広いなど、自然を感じられる癒しの空間は心に余裕を生む。

2009.2.4(水)
健康&福祉セミナー

◆平岡地区会館 大ホールB(札幌市清田区平岡7条3丁目)
◆14:00~15:00 「高齢者・要介護者の口腔ケア」~お口から始める介護予防~
                           雅の会 歯科衛生士  藤倉 房恵 先生

口腔乾燥が疑われる症状として、口の中や唇が乾く、粘つく不快感がある、食べにくい飲
み込みにくい、舌や口の中がヒリヒリする、虫歯や口内炎ができやすい、夜起きて水を飲
みたくなるなどがあります。唾液は健康に深く関わっており、自浄作用、抗菌作用や潤滑
作用にも役立ち、咀嚼や嚥下の予防、味覚を助けるなど、重要な役割を果たしています。
口渇は病気の重要なサインである可能性もあります。口腔内を清潔にし、乾燥を防ぐケ
ア方法を教わりました。唾液を出しやすくするための顔のマッサージやストレッチを、替え
歌にのって楽しく行いました。寝たきり状態の方や摂食・嚥下障害の方にも使用すること
が出来る口腔ケア用品のご案内もありました。

  15:00~16:00 「老人ホームって何?!」
           社会福祉法人栄和会 事務局長・総合施設長  瀬戸 雅嗣 先生

ひとくちに老人ホームと言っても、生活(介護)状態によりいくつもの入居形態があることを
知った。老人ホームという名前でも、老人福祉法で定められている老人福祉施設、老人
福祉法で定められている有料老人ホーム、その他入居型のホームの3つに分類され、
さらにいくつもの種類に分かれて、それぞれその特色を知ることが出来た。一杯でなかな
か入居することが出来ないという声を周りからよく聞くことがあったが、特別養護老人ホー
ムは希望者が多く、札幌市内で5,000人ほどの入居待機者がいるとのこと。複数の施設
への申込みが可能なので、一人で各施設へ申込みをしているケースが多い。必要性や
緊急度が高い人を優先しているが、希望者に対して施設が不足している現状がある。有
料老人ホームにも、健康型・住宅型・介護付きの3種類があり、この住宅型や高齢者専
用賃貸住宅、ケア付き住宅などは、介護が必要になった場合、介護保険のサービスを利

用することになる。介護保険サービス利用の流れや、申請の仕方なども教わりました。

2008.12.21(日)
食育フォーラム

◆札幌福祉専門学校 食育実習室(札幌市東区北5条東8丁目)
◆10:00~13:00
  講話「食と文化」 料理教室「日本の伝統文化 年越しそばづくりを楽しみましょう」
                      千歳千年そばの会 事務局長  冨田 浩之 先生

地元千歳市でも何かイベントを行いたいと思い、仲間達が集まって相談した結果、千歳千
年そばの会が生まれました。千歳では良いそばが採れます。立派な地産地消です。そば
は、中国から日本に伝わり、栽培は約三千年前の縄文晩期に始まったとみられており、
そば切り(今の麺としてのそば)の発展は江戸時代。建設業に従事した職人集、労務者など、
それらの人の安価な食べ物であり、夜食用としても好適であり、江戸の庶民の嗜好に合っ
たものでした。また、そばを食すると脚気にならないとの話から健康食としても広がりました。
ビタミンが豊富で、たんぱく質も他の穀物、麺類より多く、ミネラルやルチンが多く含まれて
います。その結果、動脈硬化を防ぎ血圧降下の働きを持つため高血圧に効果がありますし、
子供の成長促進や高齢者の老化防止にも効果があると言われています。

調理実習では、千歳産のそば粉と小麦粉を使い、オール千歳産の手打ちそばを作りました。
冨田先生の実演をまずは皆さん、メモをとりながら熱心に見つめ、頭と目に焼き付けました。
練りこみから延ばし、たたみ、切りまでひととおりの行程を教わった後、実際に全員でそば
打ちをしました。ほとんどの方達が初心者でしたが、見事に完成しました。無心になって作
ることで、いつの間にかストレスや体調の悪さを忘れることもできそうなほどの熱中ぶりで
した。何かに打ち込むということでは、手打ちそばに打ち込むのはお腹も満たされて、一石
二鳥かもしれません。時間の都合上、試食の時間が取れなかったため、そばのおいしい茹
で方を先生に教わり、各自そばをお持ち帰りしていただき、自宅で召しあがってもらうこと
にしました。いいお土産ができた!早く帰って食べたい!と、皆さん笑顔で帰宅されました。
今、世界的に和食が健康食として注目を集めています。そばは代表的な和食ですが、これ
を機会に、年越しそばなどを家で打ち、打ちたて・茹でたてのそばを家族で食してみては
いかがでしょうか。

2008.12.3(水)
食育フォーラム&健康セミナー

◆札幌市北区民センター 調理実習室(札幌市北区北25条西6丁目)
◆11:30~13:30 
  講話「食育と食生活」 料理教室「旬の食材を活用した体にやさしい日本料理」
  北海道栄養士会食育推進委員長・北海道食育コーディネーター 山際 睦子 先生

毎日、食事をする前、した後に何気なくする挨拶、いただきます・ごちそうさまには、食に
対する思い、食べる人、作る人、食材を育てた人、運んでくれた人、準備してくれた人な
どなど、その食に関わったすべての人への思い、自然や物に対する感謝の念が含まれ
ています。日々、食に対してそう考えていると、食材を一片でも無駄にはできません。野
菜の皮でも、ちょっとした工夫と手間で、立派な一品の料理になります。皮の裏側には
栄養があります。手間や工夫を楽しみながら、お料理ができればと思います。今の日本
は食べ残し大国と言われるほど生ゴミを大量に出しています。素材を無駄なく使って調
理し感謝しながらいただく。残り物も工夫して次の食事に生かすなど工夫の余地はまだ
まだあります。

(献立)栗ご飯、きのこ汁、かぼちゃ茶巾風、野菜の甘酢漬け、いろいろ野菜のロール巻
❋おまけのレシピ(牛肉のチーズ巻)
素材の味を殺すことなく、美味しくたくさんの野菜を摂ることができたレシピでした。野菜
も皮を剥かずに無駄なく使い、さっそく先生が教えてくださった感謝のエコ・クッキングを
実践することができました。おダシをしっかりとったお料理をいただくと、体がホッとする
ような優しさを感じました。

  13:40~14:40 「高齢者・要介護者の口腔ケア」~お口から始める介護予防~
                            雅の会 歯科衛生士  澤飯 順子 先生

おいしい試食の後、引き続き口腔ケアのお話がありました。唾液の役割や口腔内の乾
燥についていろいろ学ぶことができました。口内乾燥が疑われる症状のチェック方法を
教わり、また、口腔乾燥の原因例を知りました。口渇は病気の重要なサインである可能
性もありますし、誤嚥性肺炎にもつながります。高齢になっても食べられるという楽しみ
を失うことなく、より多くの人達と楽しいコミュニケーションをとれるよう、口腔ケアは大切
なものだと感じました。自浄作用のある唾液を出しやすくするためのストレッチや顔のマ
ッサージも教わり、全員で実践してみました。お口から始める介護予防があることを知っ
て驚いた、毎日のことなのでさっそく活用したいと参加者の皆さんから感想が出ていま
した。

2008.11.30(日)
食育フォーラム

◆北海道環境福祉専門学校 食育実習室(上川郡東川町進化台)
◆11:00~13:30 調理実演「日本型食生活(日本料理)のよいところは」
  割烹 川甚本店 料理長  滑川 敏行 先生(日本料理専門調理師・調理技能士)

日本料理について食材から食生活、五味五感、日本料理で大切なこと、調理についての
一工夫など、解りやすい説明ととても面白いトークで日本料理のすばらしさを教えていた
だきました。

(献立)替り揚げだし豆腐・魚介のクリーム焼・秋刀魚御飯・蟹と烏賊
滑川先生に調理実演していただき、作り方を確認後、調理開始。食育フォーラムのリピ
ーターの方も多く、ここをきっかけに仲良くなられた方達も。チームワークも良く、手際
よく調理が進み、感謝しながら全員でおいしく食事をいただきました。

  14:00~15:00 講演「食べることから暮らしづくりを考える」~高齢者ケアの現場から~
  特別養護老人ホーム 美瑛慈光園 給食栄養課 課長  前田 恭江 先生

入所者の重度化が進む中で栄養士(食の専門家)は、毎食最後の一口まで味わえるよ
う、生きがいになるように工夫をなされているということで、その「食」に関する施設での取
組みの話しをしていただきました。ユニットケア、食事ケア、キザミ食からプリン食の話な
ど、画像を見ながらの説明で実際の施設での雰囲気もとても分かりやすかったです。

2008.10.19(日)
食育フォーラム

◆神居住民センター(旭川市神居2条17丁目)
◆11:00~13:30 講話「朝食はどうして大切なのでしょう」 料理教室「秋の味覚を、バランスよく」
  北海道栄養士会食育推進委員長・北海道食育コーディネーター 山際 睦子 先生 

年々目立ってきている小中学生の朝食の欠食率。朝食を抜く理由、家庭における子供の
育て方の変化そして現状をパワーポイントを使用してわかりやすく講義して頂きました。
マスコミによりダイエットに対する情報が飛び交う中、1つの物を食べ続けても不足している
物も補うような食生活をしなければ、バランスを崩してしまうということ。各自の食事を見直
すきっかけを頂きました。
(献立)ご飯、わかめスープ、鮭のホイル焼き、ニラともやしのカレーサラダ、バナナとキウイ
のヨーグルトあえ

  14:00~15:00 講話「口の中を清潔にする重要性とは何でしょう」
  介護老人保健施設サニーヒル 生活介護部長  堀越 紀久恵 先生

平成14年に行なわれたモデル事業を例に現場の口腔ケアに対する取り組みを語って頂
きました。施設サービス=ケアの質が問われる現在、常に利用者さんの立場に立った援助
に心掛ける事、生活臭が及ぼす生活・心理・そして全身への影響について丁寧に教えて頂
きました。実際に施設で使っているケア用品も見せて頂きました。
今回は《朝食について》→《調理》→《「いただきます、ごちそうさまでした」の意味》→《口腔
ケアの大切さ》と、食の理解・作る・食べる・その後のケアと繋がりのある内容でした。

2008.10.18(土)
食育フォーラム 

◆札幌福祉専門学校 食育実習室(札幌市東区北5条東8丁目)
◆10:00~13:00
  講話「食を楽しむ」 料理教室「素材を活かしておいしくヘルシーな野菜料理」
                        農産物加工料理研究家  西野 洋子 先生

40年以上にわたる家庭の主婦しての経験から、食の重要性についてお話しをする。
まだ西野先生が新米のお母さんだった頃、お向かいに住んでいたベテラン主婦のA
さんのおばさんがよく炊き込みご飯を、たくさん作り過ぎたので食べて頂戴と大きなお
皿に盛って盛ってきてくれました。昔はよく近所同士で、子どものために、新米主婦の
ために、たくさんもらったのでとか、たくさん作ったので、と、ご馳走分けをしたものでし
た。特に高価な食材や珍しいものではなくても、とてもありがたい温かみのあるご馳走
でしたと、西野先生。現在40歳になる息子さんは今でも炊き込みご飯というと、Aさん
のおばさんの炊き込みご飯を食べたいと言うそうです。今、利便性や経済性が優先さ
れ、地域の味や我が家の味、食の工夫、知恵といったものが失われつつあると感じま
す。それぞれの家での食の決まりごとを大切にし、食を通して家族が深まり、食の豊か
さが家族の豊かさに繋がると思います。次の世代に、地域のみなさんから教わった、
食の工夫や知恵の大切さを伝えて行きたいものです。

(献立)いろいろキノコの炊き込みごはん、かぼちゃのグリル風、トマトの生ジャム仕立て
❋サプライズメニュー (かぼちゃのパン粉ケーキ、かぼちゃの羊かん)
秋は食べ物が美味しい季節です。旬の食材もたくさんあります。今回はそんな旬の野
菜の中から、キノコとかぼちゃを使ったお料理を作りました。西野先生の教えてくださる
レシピは、応用変幻自在で、炊き込みご飯にする時間がなければまぜご飯に変更する
ことが可能だったり、基本のドレッシングの作りかたを覚えれば味の変化が自由自在だ
ったり、ひとつのものから幾つにも広がりが膨らむ、アイデアいっぱいのものです。手軽
に作れる家庭料理なのに、新しい発見があります。基本からの応用編や、サプライズ
メニューを持参してお裾分けしてくださったり、食の工夫を余すところなく伝えてくださる
西野先生の実習は、今後の料理づくりに役立つことがたくさん学べました。ちょっとひと
手間をかけてみる、その気持ちや知恵が、食と心を豊かにすると感じました。

2008.10.7(火)
健康&福祉セミナー

◆新琴似北会館(札幌市北区新琴似11条5丁目1-14)
◆14:00~15:00 「歯の健康と適切なブラッシング」
  ライオン株式会社ヘルスケア事業本部学術室 消費生活アドバイザー 林 理恵子 先生

歯槽膿漏、歯肉炎の予防、虫歯予防のための正しいブラッシング方法を、図や模型を使
用して実演を交えて教えていただきました。虫歯の原因や歯周病の症状などを画像を使
い説明、また、歯科医院の活用の仕方、歯科の治療内容、これからの最新の治療方法の
紹介、歯磨き粉の使い方など、歯に関するお話を多岐にわたり分かりやすくお話してくださ
いました。歯が不健康であると、食べることもままなりません。歯の形や歯並びにあわせて
歯みがきをしましょう。強い力でみがくなどの誤ったみがき方をすると、歯ブラシの毛先が広
がってしまい上手にみがけません。また、歯肉や歯の根を傷つけます。歯垢を除くには、毛
先を歯面(歯と歯の間、歯と歯肉の境目)にきちんとあてる。 150~200gの軽い力(毛先が広
がらない程度)でみがく。小きざみに動かす(5~10mmを目安に1~2歯ずつみがく)。歯の裏
側、表側、噛み合わせの面と分けてみがくようにし、みがき残しがないよう順番を決めて1本
1本ていねいにみがきましょう。

  15:00~16:00 「認知症とは!」
  北広島リハビリセンター特養部四恩園 施設長  三瓶  徹 先生

認知症とはどういったものなのか、認知症の人の理解に向けてのお話をしていただきました。
成人になってから起こる知能障害で、日常生活に支障をきたす状態になります。時間や場所、
他人との関係が正しく認識できなくなる見当識障害、考えるスピードの低下や些細な変化、い
つもと違う出来事で混乱をしたしやすくなる理解・判断力の障害、思考力や判断力、計算力の
低下といった実行機能障害などの症状が生じて進行していきます。当の本人は何も分からな
いわけでもなく、何も出来ないわけでもないので、不安やストレスを軽減できるよう、家族や周
囲の人達の接し方、心がまえが大切です。たとえ認知症であっても、心豊かに生きること、
その人がその人らしく生きること、その支え、サポートが出来るよう、認知症という病気の理解
を深め、認知症にやっても安心して暮らせる地域づくりをめざして行くことができればと思って
います。認知症の人の気持ちや、対応が少しだが理解することができ、日頃の生活を大切に
生きることを学べたと参加者の皆さんから感想がありました。

2008.9.30(火)
健康&福祉セミナー

◆NTT北海道セミナーセンタ(札幌市中央区南22条西7丁目)
◆14:00~15:00 「肝腎要の話」~漢方と食養生~
  クラシエ薬品株式会社 学術グループ  西山  隆 先生

普通、食べ物のバランスを考える時は、糖質、脂質、たんぱく質など栄養のことが中心と
なります。もちろん、これは大切なことですが、健康保持のためには、味のバランスも大切
なことになります。天然の食物には、それぞれ固有の味があり、その味覚は、酸・苦・甘・辛・
鹹の5つです。その5つの味は、人間のそれぞれの臓器に作用し、五臓六腑の働きを強め
ています。この5つの味の食品をバランスよく食べることが必要です。好き嫌いの激しい人
が病気になりやすいのもこのためです。食物と薬性の関係の重要性と、普段の食生活に
ついて改めて栄養の大切さ、バランスよく摂取することの必要さを学ぶ事ができました。
何万年も人間は自然界のサイクルとリズムを合わせて生きてきました。つまり、自然の営み
にあった旬のものを食べると、その季節に合わせて体調を整え、次の季節に備えられます。
これが「薬膳」の基本です。

  15:00~16:00 「認知症介護をめぐって」
  札幌認知症の人と家族の会 事務局長 石原 優子 先生

認知症という病気がどういうものなのか、当人はどんな思いでいるのか、また、介護をする
家族の心理状態や苦しみなど、石原先生が現実に体験したお話となり、参加者の皆さん
は、家族の心理状態が分かるような気がした、肉親でもコミュニケーションが大切なことを
たくさん学ぶことができたと感想をおっしゃっていました。普通の言葉でひとつひとつゆっくり
話す、言葉だけではなく表情やしぐさも加える、目と目を合わせる、ともすれば、普段から
おろそかになりがちですが、認知症の人との大切なコミュニケーションポイントです。在宅
介護か施設介護の選択もありますが、ぼけても安心して暮らせる社会をめざして、認知症
を正しく理解し、支援してくださる方達の輪を広げていこうと、札幌認知症の人と家族の会
は活動を続けています。家族会が当人や家族の皆さん達の心の支えになっていることが
よく分かりました。これからは地域の人達と一緒になって、地域ぐるみでの支えが大切で
あることを学びました。

2008.9.28(日)
食育フォーラム

◆北海道環境福祉専門学校 食育実習室(上川郡東川町進化台)
◆11:00~13:30 料理教室「高齢者にやさしい中華料理」
  株式会社西川食品 元新富良野プリンスホテル中国料理長  羽立 哲男 先生

中国の古くからの言い伝えには食べる物が薬であると言われています。薬は食べるものに
つきるという食学思想の話から、中華は油っぽいと思われがちですが、それは大きな間違
いであるということなどをはじめとして、中華料理を美味しく作る為の「コツ」をわかりやすく
教えてくださいました。家庭で出来るおいしいチャーハンの作り方では、見事なプロのテク
ニックを伝授してくださいました。

(献立)[南瓜鶏丁]~東川産のカボチャと鶏肉の甘辛炒め~、[開洋白菜]~黄心白菜と
干し海老の塩煮込み~、[生菜蟹粉炒飯]~蟹肉とレタスのチャーハン~、[酸辣上湯]~
四川風辛味スープ~

  14:00~15:00 講演「高齢者との関わりで大切なこととは」
  介護老人保健施設愛善ハイツ 生活療護部長  伊藤 純子 先生

現在の日本の高齢社会についてわかりやすく、丁寧に教えて下さいました。高齢者と関わ
る上でのコミュニケーションの大切さと、日頃からの様子の観察がいかに大切かを学ばせ
て頂きました。

2008.9.9(火)
食育フォーラム&健康セミナー

◆札幌市男女共同参画センター 調理実習室(札幌市北区北8条西3丁目)
◆11:30~13:30 
  講話「食育と地産地消」 料理教室「旬の地元食材を取り入れた野菜料理」
  北海道栄養士会食育推進委員長・北海道食育コーディネーター 山際 睦子 先生

消費者の農産物に対する安全・安心志向の高まりの中で、消費者と生産者を結びつける
地産地消への期待が高まっています。この地産地消を有効に考えるうえで、日本型食生
活には良い点が沢山あります。ご飯とおかずを交互に食べる、大豆製品を欠かさない等、
日本型食生活は理にかなっています。栄養のバランスを考えた場合、「まごはやさしい」
の食物(豆、ごま、海藻、野菜、魚、きのこ、芋)を一日の食事の中に摂取することを心が
けましょう。食事は献立から買い物から始まって、下準備、調理、最後に後片付けを含め
て食事と思っています。食事に関わった様々な人達、食物の命に感謝していただきたいと
思います。食前、食後の挨拶、「いただきます」「ごちそうさま」も大事です。

献立:ご飯、わかめスープ、鮭のホイル焼き、ニラともやしのカレーサラダ、バナナとキウイ
のヨーグルトあえ
今回の食材関係は、バナナとキウイを除いて全て地元食材です。参加者の皆さんがグル
ープホームの職員の方が大半とあって、施設でも活用していただけそうなメニューでした。
地元で採れた安全な食材を使い、工夫と努力によって料理が美味しくできる料理づくりを
通して、食育の大切さとコミュニケーションをはかることの楽しさを学びました。

  13:40~14:40 「高齢者の食事~介護食~
  キューピー株式会社札幌支店 管理栄養士  渋谷 雅一 先生

食育フォーラムと介護食のテーマが連動しており、参加者の皆さんは熱心に聴講してお
りました。高齢者の一日の必要エネルギーは若年層より減少していくが、必要な栄養素
の量は変わらないか、逆にたんぱく質などは多く摂取する必要がある。高齢者は栄養不
足が問題になるが、その不足分を補う介護食品などを上手に活用すると良いでしょう。介
護食品も、噛む力や飲み込む力によって四段階に分かれており、食品を実際に試食して
いただき、味や柔らかさの違いを全員で体験しました。想像していたよりも、食材の味が
しっかりしており、美味しいと好評。実際に施設で利用したいと、質問をされている方もい
らっしゃいました。高齢者の方の食事は栄養不足になりがちです。上手に介護食品を活
用してみましょう。親子丼風のおじや・うなたま・グラタンなどなど、メニューも豊富で、味
もなかなかです。意外に美味しい!と参加者の皆さんからも驚きの声があがりました。

2008.8.30(土)
食育フォーラム 食育料理教室

◆札幌福祉専門学校 食育実習室(札幌市東区北5条東8丁目)
◆10:00~13:00
  講話「食と子育て」 料理教室「運動や行楽に子どもが喜ぶお弁当づくり」
                        農産物加工料理研究家  西野 洋子 先生

現在、40歳になる息子さんと、36歳になる娘さんの2人の子育て経験からお話をしてくだ
さいました。みんなと同じ方向を向いていても、内容はそれぞれに違って良い、我が家流
を貫くことの大切さを学びました。同じような枠の中にあっても、食べ物、着る物、住まい
方の順で工夫すれば、子供達に我が家流を植えつけることが出来ます。皆と同じ本は買
わなくていい、皆の持っていない本を買うようになって、息子さんはいつしか本の大好きな
立ち読み名人になったそうです。お子さん達には、あなた方のお友達を大切にするから、
お母さん方の友達や関わっている沢山の人達も大切にして欲しいと伝えています。家庭
で出来る食育の話の中で、自分が子育てで助けてもらった近所のおじさんやおばさんの
暖かい手や、社会から教わった知恵などを伝えて行きたいと考えている西野先生。皆さん
にも、子供の個性を育てる意味でも自分の得意な分野で我が家流を作って子供達に伝え
て欲しいと願います。

(献立)お弁当(夕焼けご飯、豚肉の巻き焼き、野菜のパリポリ焼き漬け、桜えび入り卵焼き)
サプライズメニュー(わらびもち、野菜のお酒漬け)
身近にある地元の食材を使用して、簡単に出来て、なおかつ美味しい料理がたくさん出来
上がりました。簡単で分かりやすいレシピだったので、自宅の冷蔵庫の中にある野菜を使っ
て、常備してある調味料を使って、今日習ったことをまたすぐに実践出来そうです。人参を
たくさん使った夕焼けご飯や、野菜をたくさん使ったパリポリ焼き漬けは、彩りも鮮やかで
見た目にも食欲をそそり、野菜嫌いのお子様も箸が進みそうなアイデアだと思いました。親
子で参加された方達からも、帰ったらお父さんに作ってあげようと微笑ましい会話が飛び
出していました。西野先生持参の野菜のお酒漬けも、簡単に出来るのにとても美味しい漬
物で、皆さんに味見のお裾分けがされました。お子様さん達はちょっぴり懐かしさを感じる、
わらび餅づくりにも挑戦し、皆さんのお弁当箱の中に素敵なデザートとして添えられました。
こういった手作りのおやつも忘れられない家庭の味のひとつですね。

2008.8.24(日)
食育フォーラム

◆永山公民館(旭川市永山3条19丁目)
◆11:00~13:30 
  講話「家族で食事をすることの長所はどんな点でしょう」
  料理教室「永山の秋の食材で賑やか食卓!」
                        農産物加工料理研究家  西野 洋子 先生

家族全員がそろって摂る食事・一家団欒。社会の変化に伴い大切な事が忘れられている
現在。食べ物の事、今日あった出来事を伝えられる大事な場面である事を思い返すきっ
かけが家庭の食卓にあることを、西野先生自身の子育て体験を通して参加者に分かりや
すくお話しされました。

(献立)長い年月をかけて大雪山の湧水が恵みをもたらした地元の食材を使った創作料理

  14:00~15:00 「婆ちゃんがボケた!その時の対処方法を教えます」
           ~小ボケ・中ボケ・大ボケは家族・介護者の関わり方で決まる~
           特別養護老人ホーム 鷹栖さつき苑 施設長  波潟 幸敏 先生

超高齢社会を迎え、他人事ではない認知症をわかりやすく、丁寧に教えて下さいました。
受講者も認知症の゛人゛の理解・住みなれた地域で暮らせる町づくりの大切さを理解で
きたようです。

2008.7.27(日)
食育フォーラム 

◆札幌福祉専門学校 食育実習室(札幌市東区北5条東8丁目)
◆10:00~13:00
  講話「食育~食欲と盛り付けの関係」 料理教室「簡単で美味しいお弁当づくり」
                      札幌福祉専門学校 講師  鍋島 ゆかり 先生

参加者のみなさんが考える食育とは?について、考えを聞いてみたところ、「栄養」「おい
しさ」「新鮮」「地元産」「地産地消」「安全性」「こころ」「文化」「環境」などと、皆さんから様々
な意見が出ました。それぞれに思い考える食育について、鍋島先生のお話で、改めて考え
ることができた時間となりました。毎日のことで、お弁当づくりを大変なものと考えている方
もおりますでしょうが、鍋島先生から教わった①彩りを考えると、必然的に栄養は揃う
②飾り切りや合わせ方の工夫で楽しく③容器は使い捨ての物ではなく、日本の古くからの
ワッパや木のお弁当箱など、自然の素材を利用することにより、料理が映え、また、良い
物を長く使うことは結果として経済的でありエコにも繋がる④お弁当は盛り付けが大切。ご
飯を入れて、おかずとの間をパランで仕切る。おかずを斜めに入れてみたり、彩りを考えて
入れる。を、実践すると、お弁当づくりが楽しくなりそうです。

(献立)お弁当(ご飯、鶏団子、だしまき卵、ウィンナー、切干大根、花形人参、ミニトマト、ブ
ロッコリー、ピーマン、ふりかけ、胡麻、海苔)
食色は、赤=ミニトマト、緑=ブロッコリー、ピーマン、黄色=卵焼き、フライ物、茶色=煮物 な
どを盛り付けることにより、食欲が増します。各自でウィンナーをさまざまに飾り切りをして
みました。玉子焼きを斜めに切り、ハート形に合わせる工夫をされた方もいらっしゃいました。
切干大根で使用した人参は、後で飾り人参として使うなど、食材を無駄にせず応用・活用を
する。最初から味付けを濃くするのではなく、「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」
の順で入れ、味見をしながら調整をすると良い。「さしすせそ」は、料理に味を染みこませる
順番であり、煮物の智恵でもあります。

2008.7.12(土)
食育フォーラム

◆北海道環境福祉専門学校 食育実習室(上川郡東川町進化台)
◆11:00~13:30 
  乳幼児から高齢者までの食育フォーラム~高齢者の食育~
  「良い食生活で元気、長生き!」
  北海道上川保健所 管理栄養士 専門員  渡辺 健治 先生
  東川町主任栄養士  中村 弘美 先生
  東川町食生活改善推進協議会のみなさん

食についてや高齢者対象の料理を学びました。参加者はお子様から高齢の方までと
幅広く、高校生の皆さんには、初めて会う近郊市町の子供から年配の方たちと一緒に
調理をしながらコミュニケーションをはかり、そして一緒に食事をし、貴重な体験にな
ったようです。

(献立)ちりめんじゃこのまぜご飯、ジャガイモとたまねぎ・わかめの味噌汁、さやいん
げんのピーナッツ和え、豆腐を使ったホワイトハンバーグ

2008.6.22(日)
食育フォーラム

◆北海道環境福祉専門学校 食育実習室(上川郡東川町進化台)
◆11:00~13:30 
  乳幼児から高齢者までの食育フォーラム~乳幼児の食育~
  「東川産野菜でレッツ!親子クッキング!」
  東川町幼児センター副園長 保健師  伊藤 和代 先生
  東川町幼児センター栄養士  石川 由香里 先生
  東川町食生活改善推進協議会のみなさん

このフォーラムは2005年、食育基本法第11条に定められた教育ならびに保育、介護
その他の社会福祉、医療及び保健に関する関係者の責務として、子供たちをはじめ国
民が生涯にわたって健全な心身を培い豊かな人間性を育むための食育を推進すること
を目的とし、「NPO法人 日本福祉教育支援センター」「NPO法人 ツルハ医療・介護サ
ービス協会」「学校法人北工学園 北海道環境福祉専門学校」3法人の共催フォーラム
として開催されます。今回は近隣市町から39名の親子が参加し、食についての話、そし
て子供と一緒に調理・試食と、とても楽しく美味しいフォーラムとなりました。

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